大本襲撃

大本襲撃 出口すみとその時代(著者:早瀬圭一)
 タイトルだけでは内容の見当がつかない人が多いと思うが、昭和10年(1935年)の大本(おおもと)教弾圧事件をテーマにしたノンフィクションである。出口すみは、二代教主。
 私自身は、大本襲撃(だいほんしゅうげき)と読んだほど、大本教についてまったく知識が無かった。冒頭で少し説明されているが、いまなぜ大本教の弾圧事件について書いたのかが、いまいち良く分からない。
 特高(特別高等警察)による捜査開始から話が始まるのだが、最初から大本つぶしを目的とした捜査である。ところで、このあたりに小説風の描写があるが、ノンフィクションとしてどうなのか?
 そして、一斉検挙に引き続き、厳しい取調べが始まる。獄死、自殺、精神異常になるものが出るほどのひどい拷問で自供させられ、裁判にかけられる。1審(1940年)では出口王仁三郎(すみの夫)が無期懲役、出口すみが懲役10年などの有罪判決が下された。それだけではなく、建物は解体(爆破)され、土地は強制的に自治体へ売却させられるなど、ひどい弾圧を受ける。新聞は調子に乗って大本教を邪教扱いし、世間の人々からも迫害される。(このあたりは、今でも起こりうるな)
 ところが2審判決(1942年)では、治安維持法については全員無罪となり、その他の罪で出口王仁三郎などが懲役5年の判決を受けている。戦後の再審ではなく、まだ戦争の真っ最中(真珠湾攻撃が1941年)の判決である。なんだ、なんでもありの時代ではなかったんだなあ。最終的に、戦後すぐの判決で、全員無罪となっている。
 それにしても、出口王仁三郎とすみは、なかなかの人物だったようだ。移送途中で撮影された出口すみの写真が載っているが、実に堂々としている。また、1審判決(無期懲役)を受けているときに、出口王仁三郎が上体を折り曲げて、股間越しに弁護士に舌を出して見せた話が紹介されている。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック