武装解除 紛争屋が見た世界

著者:伊勢崎賢治
 著者は、国連PKOミッションに加わり、東チモールでは暫定政府の知事を務め、シエラレオネ(西アフリカ)ではDDRの責任者を務める。そしてアフガニスタンでは日本政府の特別顧問としてDDRを担当する。
 DDRとは、Disarmament Demobilization & Reintegration(武装解除、動員解除、社会再統合)のことである。兵士の人数も武器の数もあいまい、指導者ですら正確な数を把握していない。上が武器を捨てろと命じても、下がすんなり従うとは限らない。混沌とした状況の中で武装解除を進めてゆく様子が、生々しく述べられている。
 生々しいのは良いが、少し解りづらいところもある。東チモールの章は、イラクで国連事務所が爆破されたニュースを、アフガンで見たところから始まる。その後、東チモールでの活動の話になる。そして文民統制の重要性を説く中で、イラクのサマーワでの自衛隊の活動が取り上げられる。数々の「日本の常識?」に対して、「それはおかしい」という著者の主張は、紛争処理の最前線で活動してきただけあって、筋も通り、説得力があるのだが。
 紛争を終結させるためには、まず対立している組織に武器を捨てさせなければならない。そのためには、中立な立場の軍事力(文民統治が重要)が必要である。中立な立場を取れるのはやはり国連であり、その活動に自衛隊が参加することは、日本国憲法の精神に反しないどころか沿っている、というのが著者の主張である。精神には反しないが、条文とは矛盾すると著者は考えているが、現在の政治情勢下での憲法改正には反対している。
 今、話題の「イラク復興特別措置法」とも関連し、色々と考えさせられる内容である。

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