真剣師 小池重明

著者:団鬼六
 う~ん、暑くて車に乗る気分にならない。真剣師とは、金を賭けて将棋をする人のこと。著者は将棋雑誌の編集長をしているときに、小池重明に出会う。
 小池重明は数々の真剣に勝ち、アマチュアの将棋大会で何度も優勝したばかりではなく、プロ棋士との勝負にも勝利し、新宿の殺し屋と呼ばれる。しかし将棋は強いが、生活はめちゃくちゃ。一晩中ドンちゃん騒ぎをして、徹夜のまま勝負に挑み、そして勝ってしまう。借金をしまくり、勤め先の金を盗んで、女と駆け落ちする。ついには体を壊して、44歳で死んでしまう。(葬式のシーンから始まる)
 これだけだと破天荒なまたは凄みのある人物のようだが、著者が描く小池重明は、むしろ人当たりの良いというか調子の良い人物である。また、駆け落ちを何回もしたといっても、女たらしということではない。女に甘くだらしが無いために、逆に女にだまされたことも多かったらしい。真剣師の癖に?ギャンブルが好きで、しかも将棋と違って弱い。
 とにかく矛盾に満ちた人物だったようで、多くの人間に嫌われる一方、惹かれる人間も多かったようだ。例えば、小池に店の金を5回も持ち逃げされた人が出てくる。つまり、その度に許していたわけ。著者自身も、かなり迷惑を受けながら、小池が死ぬまでなにかと面倒を見ている。友達にはなりたくない男だが、読んでいると、会ってみたくなってくる。
 著者は次の言葉でこの作品終わらせている。「とにかく、面白い奴だった。そして、凄い奴だった。」

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