ゆとりの法則

副題:誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解
著者:トム・デマルコ、翻訳:伊豆原弓
 「ピープルウェア」で、作業環境や組織の人間関係などが、生産性に大きく影響を与えると主張した、トム・デマルコ氏の著作。この本では「どうすれば効率化できるか」ではなく、ありがちな効率化施策が、逆効果を与えていることが述べられている。
 原題は、「Slack  Getting Past Burnout , Busywork , and the Myth of Total Efficiency」
Slackはゆとりというより、緩みまたは工具などの遊びの意味に近い。
 組織が変化または成長するためには、ある程度のゆとりと自由が必要だということを、色々な例を挙げて説明している。示唆に富む内容が多い。業務内容が関連するので、「言われてみればその通りだ」「そうだったのか!」と衝撃を受けた。ソフトウェアまたはシステム開発分野以外の人でも、参考になる本。
  • 恐怖の文化に支配された組織
    成果主義も度が過ぎると、要員間の協力関係が破壊される。強気の目標(当人が無理だと考えるような)を押し付けると、責任回避のために行動するようになる。(とにかく忙しく作業する)
  • プロセスへの執着
    標準化しやすい部分だけ、標準化されるので、効果はない。例えば、要件定義書のフォーマットは標準化されるが、必要な要件を漏れなく引き出す方法は、標準化されない。また標準化されると、作業者自身による改善が行われなくなってしまう。
  • 品質向上プログラムは本当の品質向上を困難にする
    結果がわかりやすい欠陥の除去に資源を集中させるので、全体的な品質は低下する。
  • リスクマネジメント
    起こって欲しくないこと(リスク)に備えた、やらないかもしれない作業(リスク対応策)を含めた計画、つまりゆとりを含んだ計画がなければ、本当のリスクマネジメントではない。絶対に発生を防げるのであれば、リスクではない。「なんとかしろ」と命ずれば、「恐怖の文化に支配された組織」と同じ。

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