カムイ伝

著者:白土三平
 江戸時代の架空の藩、日置藩に生まれた非人のカムイ、下人の正助、武士の竜ノ進の成長と戦いが描かれている。全15巻に加え、外伝(アニメ化もされた)やカムイ伝2も出版されている。
 カムイは自由を求めて忍び(忍者)になるが、忍びは権力者の道具に過ぎないことに気づく。そして、抜け忍という、終わりのない逃亡の道を選ぶ。
 正助は、持ち前の知恵を生かして本百姓になる。生活の改善のため、百姓同士の団結の輪を広げていく。そして、その輪を非人にも広げてゆき、カムイの姉ナナと夫婦になる。(当時は、これ自体が違法だったらしい)
 竜ノ進は、藩主の陰謀により一族が滅ぼされ、逃亡のために非人に身をやつす。非人としての生活の中で、身分制度の矛盾に気づく。
 支配に対する民衆の抵抗、日置藩の持つ徳川の秘密をめぐる忍者の戦い、商人の陰謀などが絡み合い、話は進んでゆく
 差別の残酷さと、差別を支配の道具として使う権力者の非情と卑劣を、強く感じた。これは、カースト,アパルトヘイト,民族紛争にも共通しているように思う。江戸時代の身分制度を単純化しすぎという意見もあるようだが、歴史の研究書ではなくて、フィクションだからなあ。カムイ伝2は未読なので、ぜひ読んでみたい。
 ところで、人間たちの話とは別に、白い狼の話が合間に描かれているが、これは必要なのだろうか?

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