億万長者はハリウッドを殺す

著者:広瀬隆
 近代史の主要な登場人物と、アメリカの超大財閥(モルガン、ロックフェラー)との関係を明らかにし、歴史の新たな見方を提供している。
 関係者の縁戚関係や就いていた役職を調べ上げて、歴史上の様々な事件が、2つの財閥の利益追求(金儲け)によって引き起こされたと主張している。世論操作の手段として映画産業を利用し、邪魔な映画人たちは、赤狩りなどで容赦なく叩き潰す。これが「ハリウッドを殺す」につながる。
 「極秘情報」ではなく、公開されている情報を元に書かれており、薄っぺらな陰謀説とは一味違うと感じた。まあ状況証拠といえばそうなのだが、結果として2つの財閥は莫大な富を築いている。アメリカでもこの事実が問題にされなかったわけではないのだが、2つの財閥はうまく怒りや追及をかわしたことが描かれている。
 アメリカの動きが中心なので、日本のことは、ほとんど触れられていない。真珠湾攻撃を「ウォール街のビジネスをまったく理解しない人間の作業」と表現している。裏を返すと、1千万人以上の犠牲者を出した第二次世界大戦は、モルガン・ロックフェラーのビジネスというわけだ。多くの犠牲者を出しながら、天文学的な富を築いてゆくさまを読むと、背筋が寒くなる
 偉人と呼ばれるような人物(歴代の大統領,エジソン,リンドバークなど)を、容赦なく評価しており、面白い。『歴史とは、このように解釈することもできるのか!』という、新鮮な驚きを感じた。
 ところで、広瀬隆氏の著作としては、「東京に原発を!」も有名である。「第二章 大事故の恐怖」では、地震による電気系統や水道系統破談の危険性を指摘している。さらに「新潟県柏崎原発は、真殿坂活断層の上にあることが、建設許可の翌年に明らかになり、そのまま建設された」と述べられている。この本は1986年出版なので、20年以上前である。最近、中越沖地震で柏崎原発が被害を受け、マスコミが騒いでいる。この本は結構売れて、話題になったはずだけど、今まで何してきたの?という感じである。

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