失敗の本質 日本軍の組織的研究

著者:戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎
 日本は国力に大差があったがゆえに敗北しただけではなく、「どうひいき目に見ても、すぐれた戦いをしたとはいえない(序章)」、というのが、著者たちの主張である。
 第一章では、ノハンモン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄作戦の、敗北ではなく失敗を分析している。第一章の感想は、インパール作戦が最悪の失敗だと思う。こんな杜撰な作戦で、何万という死者を出し、白骨街道(遺骨はいまだにほとんど収集されていないらしい)の惨状を招いたのだから、戦争犯罪ではないか。
 第二章と第三章では、日本軍の組織的な問題点を、総括的に分析している。個々の作戦の前後には、危機感や問題意識を持った人がいたのだが、そういった意見を取り入れて、改善策を実施することはなかった。そもそも、そのような制度や文化が無かったようである。
「失敗した戦法、戦術、戦略を分析し、その改善策を探求し、それを組織の他の部分へも伝播していくということは驚くほど実行されなかった(二章 失敗の本質)」
 しかし軍の中枢にいた人間は、知能が低かったわけではない。組織文化(固定観念)に完全に適応したがために、その枠を超えた発想できなくなり、適応能力をなくしてしまったようである。組織文化が人の思考に与える影響の強さと、その改革が困難なことは、現在でも参考になるのではないか。第三章には、次のような記述がある。
「戦後、日本軍の組織的特長は、まったく消滅してしまったのであろうか(三章 失敗の教訓)」

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • ニューウェーブマネジメント

    Excerpt: 「社風は一方で、  行動指針を提供する素晴らしい力をもちながら、  他方では、疑問を封じ行動を縛る可能性もある。  強い社風をもつと思われる会社にお勤めの読者は、  疑わないことの功罪を考えて.. Weblog: |ビジネスを生き抜く言葉| racked: 2007-08-17 11:25